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Posted by Miki OKUBO on  | 

親密な人々の生きることを想像する


    blog_201507_DSC06851.jpg

    失望と憤りと居ても立っても居られないような感覚を
    これまで家族や親戚が経験した戦中戦後の話や
    あらゆる機会に学んだ反戦教育を私たち世代に施した
    私たちが子どもだったとき十分に大人だった人たちに
    裏切られたかのような奇妙な状況を

    與謝野晶子の「君死にたまふことなかれー旅順口包圍軍の中に在る弟を歎きて」 という詩はあまりに有名で
    子どものときに反戦教育を受ける私たちは
    刷り込まれて平和の危機に反射的に
    この類いの文芸や物語を連想するようになっている。

    刷り込まれるとは言えそれが孕む矛盾や危険
    それは非常に不安定な地面に置かれていることなどを
    それを教える人々の口ぶりから感じない者はない。

    しかしこの詩がたとえこの上なく戦略的に
    親密で感情に訴えることに成功し
    反戦教育のためのアイテムとして使い古されているとしても

    我々が日々を生き、
    喜んだり、悲しんだり、満たされたりするのは、
    つまりはこの小さな規模での関係性である。

    家族や大切な人の生きることについて思うことだけが
    80年ほどの時間を一区切りに生きて死ぬ人間が
    もっと長いスパンでの平和なんかを
    思うことの出来るすべである。

    *****

    あゝをとうとよ、君を泣く、
    君死にたまふことなかれ、
    末に生れし君なれば
    親のなさけはまさりしも、
    親は刃(やいば)をにぎらせて
    人を殺せとをしへしや、
    人を殺して死ねよとて
    二十四までをそだてしや。

    堺(さかひ)の街のあきびとの
    舊家(きうか)をほこるあるじにて
    親の名を繼ぐ君なれば、
    君死にたまふことなかれ、
    旅順の城はほろぶとも、
    ほろびずとても、何事ぞ、
    君は知らじな、あきびとの
    家のおきてに無かりけり。

    君死にたまふことなかれ、
    すめらみことは、戰ひに
    おほみづからは出でまさね、
    かたみに人の血を流し、
    獸(けもの)の道に死ねよとは、
    死ぬるを人のほまれとは、
    大みこゝろの深ければ
    もとよりいかで思(おぼ)されむ。

    あゝをとうとよ、戰ひに
    君死にたまふことなかれ、
    すぎにし秋を父ぎみに
    おくれたまへる母ぎみは、
    なげきの中に、いたましく
    わが子を召され、家を守(も)り、
    安(やす)しと聞ける大御代も
    母のしら髮はまさりぬる。

    暖簾(のれん)のかげに伏して泣く
    あえかにわかき新妻(にひづま)を、
    君わするるや、思へるや、
    十月(とつき)も添はでわかれたる
    少女ごころを思ひみよ、
    この世ひとりの君ならで
    あゝまた誰をたのむべき、
    君死にたまふことなかれ。

    *****
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